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津軽三味線奏者の佐藤壽治です。
お稽古用の秘蔵音源はもうひとつあります。
今度は木田林松栄さんの演奏。
聴いてもらえばわかるのですが、教えようというメッセージが伝わってきます。
丁寧に丁寧に、展開を考え準備する時間を作ったり。
「これを聞いたらあいつはどうするだろうか?」
と、考えているように聴こえます。
(木田林松栄のお手本演奏)
お稽古とは継承。
つまり伝えるという事が最も大事な使命なので、受け取る側はそう思ってくれないと困ります。
「えー?それって無理じゃない?」とか「冗談でしょ?」とか、疑いが混ざるような考え方で教えを受けると間違いが起きます。
でも、疑いたくもなるんです。
同じ三味線を持って、同じ撥を持っても師匠という人が演奏すると違う音になります。魔法なのか手品なのか。なにかカラクリがあるのではないか?と疑ってしまうのです。
「信じること」
とにもかくにも信じることが大事です。
上手になるために師匠は考えています。
どうやって理解してもらおうか、と言葉を選んでいます。
時に厳しく突き放すときもあります。それも弟子を育てようという事を考えてのことなのです。
信じ切れるか、信じ切れないか。
ここが大事です。
わたしがこの音源と出会った時はとにかく真似しました。真似をするところから得られることがあるし、真似られないなにかが必ず潜んでいると信じていました。
時には完全にコピーしたと勘違いしていた時もあります。時には悩んだこともあります。
しかし、真似することが上手になる一番の近道なんだと、信じていました。
聴かせてくれたのは先生でもありますが父親です。
同じ曲が何回もダビングされ、何本ものテープになっていました。これも一緒、あれも一緒、いったいなんなんだ?と思いもしましたが、テープが擦り切れてしまわないように。またいつでもこのテープを聴くことができるようにと作ってあったんだと思います。
大事な音源ですし、なくせばもう二度と聴けません。そのくらい聴き倒して、弾き倒したんだとわかったので、信じることが出来ました。
と、闇の素は疑いでもあると過去記事中にも触れたことがあります。
今取り組んでいるお稽古を信じていますか?
師匠を信じていますか?
ではまた。
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