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津軽三味線奏者の佐藤壽治です。
お稽古の成果を発表する時に必ず助言する事があります。
息子殿も娘殿1号2号も、わたくしも同じ経験をしている事です。
「お客さんはうまく演奏することを望んでいますが、それよりも先に真剣である事を願ってます。」
ふざけて演奏している人はいないと思いますが、真剣である事がものを言うのが舞台というものです。
うまくなくても、緊張の中でなんとか1曲を演奏しようと努力してる姿にお客さんは感動してくれるものなのです。
子供が良い例で、ピアノにしてもバレエにしてもその他スポーツも同じで、失敗している姿であっても泣いている姿であっても自身の子ではなく他所の子供であっても、真剣な態度があればそれだけで拍手喝采、感動の嵐になります。
お客さんは深い所を観てます。
お客さんからの言葉は素直に受け止めることが大事です。
失敗してもほとんどのお客さん、特に知り合いは「良かったよ」と褒めてくれます。
演奏した本人はたくさん失敗したし、そんな演奏のどこが良かったんだ・・・と思うかもしれません。
しかし、そこは観ている場所が違うのです。
普段あなたと顔を合わせていますが、真剣勝負に挑んでいる時の表情は観た事はないんです。がちがちに緊張しこわばった顔であっても、開眼した仏様のような顔であっても、日常の顔以外は観たことがないんです。その変化に惹き込まれて演奏を聴いていると、なんでか演奏者の心境まで伝わってくるんです。
演奏のミスを数える前に、自分の心を見つめ直してください。
「お腹減った」なんて考えながら演奏しないように。
今日も一日がんばりましょう。
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