ひとつひとつを大事に”基礎練習” 続き

ブログを御覧いただきありがとうございます。

津軽三味線奏者の佐藤壽治です。

 

前回の小指の使い方の続きです。

腕がものをいう世界の手先がものをいうお話。

 

 

前回の話では、ゆっくり演奏する練習の時に、小指に伝わる感覚を身に付けて、実際にゆっくり演奏しなくてはならない時に活かしていく話を、途中で切り上げました。

 

 

おさらいをすると、前撥の時に小指を駒に触るのではなく、乗せるようにする。

 

効果として、まずは音に表れてくるのが、後撥(大)と前撥(小)の音量差による表現力が増します。

 

そして触るではなく乗せるという意識で生まれる、一瞬の間のためによって、様々なテンポで歌う唄い手に合わせた演奏がしやすくなる。

 

それはゆっくり演奏する時に活躍し、その延長には、人に教える時のお手本演奏に活かされる事になります。

 

という事で、先日演奏した曲に近い、流れをゆっくり演奏したものを撮影しました。

 

 

ついうっかり違う流れに入りそうになったり、入ってしまったりしていますが、津軽民謡というものはそういう性質の音楽なので、全く同じものを演奏するのは可能なんですけど、難しいです。

 

※本音をいうと、あんまり記憶していないだけなんですけど・・・

 

動画内では駒に小指を乗せるだけではなく、触れるだけの時もあります。これは音の粒をそろえたい時に、三味線の「叩く場所が変わると音量が変わってしまう」性質を殺すために触れています。

 

撥の持ち方や手の大きさ自体は変わらないので、一定の場所を目視せずに叩くことが出来るようになります。意識するのは振り上げる腕動きと力加減。それだけで音量が整ってきます。

 

ここからは私だけの考え方なので悪しからず。

 

かましと呼ばれる音数が増える場所などは、特に盛り上げる直前までの響きが大事です。こういったところではじっと音量を動かさず、人の耳に音数を徐々に上げている事を気付かせるように抑揚は付けません。気付いたころ合いに少し変化を付けて、本格的に音量をじわじわと上げていくように動いていきます。

 

反応として分かりやすいのは拍手ですが、音が大きくなってからため息に似た深呼吸が聴こえる時もあります。音量を抑えている時に惹き込まれた人は、自然と呼吸が止まるようです。演奏者も同じく呼吸が止まる人がいて、唸り声になるひともいます。

 

そんなやり取りが出来るようになるためにも、小指はとても大切な仕事をしてくれるのです。

 

まだある気がするのですが、今日は思い出せません。

 

また続きは後日。

 

 

今日も一日がんばりましょう。