不安に思うこと

ブログを御覧いただきありがとうございます。

津軽三味線奏者の佐藤壽治です。

 

お稽古してるときも、そうでないときも。

民謡という音楽の未来が不安になることがあります。

 

ひとつは技術。

わずか一世代前の人達に自分も追い付いていませんが、民謡界全体でも追い付いてません。

 

評論家はそうは言いませんが、舞台上での勘や判断の早さ、鍛え上げるという厳しさは、社会の流れのせいなのか、みんな劣っています。

 

ひとつは精神。

先生いわく、昔は『都会に名人はいない』と言われたことがあるそうです。

 

皮肉でもなんでもなくて、単純に隣近所や道ゆくひとたちを気にせず唄い踊り、演奏に没頭できる環境ではないのです。

 

そして食うために働くので、お稽古にさく時間が減ります。

特殊な環境を都会で再現しない限り、難しい事です。

 

わが家も例外ではありません。

やっぱり至るところ、あちこち緩いところがあります。

 

好きで好きでしょうがない、という心は同じでも、打ち込む想いと貪欲さが真似できません。

 

三味線を抱いて寝たり、撥を握って寝るなんて事はしませんし、舞台にかぶりついて人の手を盗むこともありません。

 

幸いに道具の精度や、ノウハウは昔よりはるかに良くなり、現代の方が優れている事はあります。

しかし前述以外にもたくさんあるのですが、細かい部分で足りないところがたくさんあるんです。

 

 

先人に並べるようになるのはいつになるのか。

相手も人なので諦めずがんばります。