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津軽三味線奏者の佐藤壽治です。
疑問シリーズも中間地点。
ツボに関する部分まで来ました。
ここまでは理解しやすいというか、改善できたら結果がすぐに出てくる要素のものなので、お稽古に反映させやすいものとも言えます。
さてそのツボですが、別名『かんどころ』と言われていて充てる感じは『勘所』とか言われてます。
実際のところを申せば、そんな言葉を使う津軽芸人はいなくて、ツボという言葉を、状態を表す言葉の後ろに付けて使うことが多いです。
『くそツボ』っていうやつです。
このツボに関しては、色んな人が触れている事もあるので、共鳴する場所であれば、その一点を探さないといけません。
お稽古を始める時に、シールを貼ってもらう事がありますが、あれはあくまで目安で、正確ではありません。
自力で本当のツボを探さないといけないわけですが、サワリとの関係ですぐにわかる場所もあれば、そうでない場所もあります。
現代はチューナーという便利なものがあるので、その機能を使えばより確実な場所を探せます。
しかし、調弦と被ってくるのですが、三味線の糸は常に音が狂う糸で、場所も常に変わっていると言っても過言ではありません。
ですから、探したとしてもやはり目安であり、勘を頼りに『この辺』と鳴らして確認するしか、正しい音を出す方法はありません。
この時に役立つのが『ゆすり』という技術。
バイオリンなどの弦楽器でも見られますが、ある程度正しい音を出す場所に目星を付けて移動し、慣らす鳴らす際には周辺の音をすべて鳴らす要領で揺らす。絵画で線を書いた後に、指などでぼかす作業に似ています。
仮に正しくない場所であったとしても直ぐに動くため、耳には音の揺らぎとして届き、正しくない音とは認識されないわけです。
そんな便利な技術がゆすりであり、審査項目のツボにはその動きが含まれてると思っていて欲しいです。
そしてツボには、音階も含まれてると思われます。
これは審査講評でも説明されていますが、基本となる曲を混ぜに混ぜたものではなく、シンプルにひとつに絞った方が分かりやすく伝わりやすいという意味があると思います。
じょんから節ならじょんから節の音階のみを使って演奏を組み立てた方が良いわけです。
2分半という短い時間の中で転調するような曲作りをすると、どうしても取って付けた感が出てしまいます。
やるならきちんと時間をかけて、壮大に作ればいい曲に仕上がるのですが、大会の状況を考えるとそうはいきません。
ツボには正確さもそうですが、音の使い方と並べ方も含まれているわけです。
『正確だったらいいんじゃないの?』と思いがちな項目なんですけど、そこにはもっとたくさんの物事が隠れてるかもしれません。
『そんなの考えてられる余裕は本番にはありません!』
そう、緊張感の中でそんな事を考えてられる隙も暇もないです。
でも審査員は、そこを苦しんで技術を身に付け舞台に上がって来たんです。
そんな細かく見なくても・・・と、思いますが、順位をつけるのが仕事内容なので仕方がありません。
優劣をつけるために項目を増やし、厳しさを増すわけです。
困りました。いや~、困りました。
困ったところで今日もおしまい。
今日も1日がんばりましょう。
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