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津軽三味線奏者の佐藤壽治です。
名張のお稽古に行くとこの時期くらいまでカエルに会うことが出来ます。
周りは田んぼなので水に困ることもなく、街灯で待てばご飯(虫)に困ることもない。
楽園とまではいかなくても、カエルにとって暮らしやすい場所なのかもしれません。
カエルは『帰る』にかけて旅の無事をとお守りになったりしますが、わたしはこの当て字が好きです。
仕事で県外に出かける事が多いのでそう思うのかもしれませんが、もうひとつ意味があるんじゃないかと最近思っています。
『自分自身の位置や場所をいつも確認しているのかどうか?』という意味で、津軽三味線というものから外れてはいないか?という事を考えさせられる事があります。
先日の発表会でもそうでした。
発表会内で企画ものとして福井の伝統芸能と津軽の伝統芸能を見てもらおうと作った第2部と第3部。
それぞれの伝統芸能を知り、比べて見てもらうだけではなく、融合などの意味合いで津軽三味線を福井の伝統芸能に加えてみようと最初は考えました。
企画もおもしろくなりそう、と思ってはいたのですが、日が近づくにつれて伝統を未来へ伝える企画になるのかと思うようになり、素の姿を大事にしなくてはと直前に福井の伝統芸能と津軽三味線の融合(コラボレーション)企画を止めました。
原点に帰る、と言えばカッコいいでしょうか。
一緒にやってみて賑やかになるのは間違いないのは練習で分かっていたのですが、それだけと言えばそれだけなんです。
演者が楽しんでるということも大事なのでしょうが、なにか深みというか大きさというか、感じるもの訴える力が無いんです。
やっぱり注いできたものをそのまま表現した方が分かりやすく、伝わりやすいんだと思います。
応用することは大事な事であり、発展というものをもたらす事でもあるのですが、壊す事にも繋がっているので、そこの加減や過去から存在する理由などを忘れないようにする事が大事なんだろうと再確認しました。
基本に忠実に、は時としてつまらないと思われたり、いつも同じと飽きられたりする時があります。
でもいつまでも芯として存在させないと、応用させたものの素晴らしさに気づくことは出来ません。
基本とは自分の向上を測る目安みたいなものなのでしょうね。
今日も1日がんばりましょう。
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