ブログを御覧いただきありがとうございます。
津軽三味線奏者の佐藤壽治です。
趣味の時間と言いますか、好きなものと言いますか、なにかしら没頭できるものがあるというのは、素晴らしい事だと思います。
津軽三味線だってそのうちのひとつで、わたしは津軽三味線を好きな人への「お手伝い」を仕事にしていると思っています。
同じ楽しむのでも、もっともっと深い分野まで知りたい、もっと深い音を出したいなどなど。
没頭しているうちに出てくる疑問や、問題点の解決へ向けて、あれこれ自分の体験と他の生徒さんたちの事例を踏まえて、お伝えしていっています。
当然、うまくいく時とそうでない時があり、それをまた考えるのも楽しみのひとつ。苦しみに似ている感が本当はあるのですが、達成できたときに喜びがあるのでやはり楽しみなのかと。
挫折も当然あると思います。
わたし自身もそういった心境になっていた事はあります。
やってはみたものの、モノになるのか?なんて話は聞こえていないのですが、自分の心のどこかには存在していました。真剣に取り組むのが遅かったですし、過去の栄光は皆無だったのです。
息子殿は輝かしい少年時代の実績を積み上げていますが、わたしが同じ年の頃は、周りの人たちのほうが上手でした。唄にしても三味線にしても、大会やコンクールと呼ばれるものはすべて箸にも棒にもかからず。そんな人が30になって取り組んで大丈夫なのか?と。
すでに息子殿が世の中に生まれ出でていたので、背水の陣にも似た状況ではありました。それが良かったのか、なんとか実績を作る事に成功。親の七光りだけでこの業界を渡るのではなく、実績を伴って、親の七光りを使う事が出来るようになりました。
この当時にお手伝いしてくれたのは先生です。
近いような遠いような距離感で進むべき理想の音と曲を示してくれていたと思っています。
人のためにという気持ちは強いわけではありませんが、自分が手伝ってもらった分、人を手伝ってもいいんじゃないかと思っています。たまに口うるさい時もあるんですけど、なんとか良い方向へと向かってもらえるようにしています。
お稽古だけではなく、舞台行事やしきたりに守らなくてはならない事。堅苦しい世界ではあるのですが、それを守る事でまた人脈が広がり世界が広がります。向かうべき方向を間違わないように先導したり、背中を押したりするのがわたしのお仕事なのかと思っています。
お手伝い。
やる時はたいへんなんですけど、喜ばれるとこちらも嬉しくなるもの。
お稽古も受ける側から、つける側になるといろんなものが見えてきます。
今日も一日がんばりましょう。
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