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津軽三味線奏者の佐藤壽治です。
ひさびさの先生語録。
『分かってないひとが、分からない人を教えた結果は☆分からないなんだよ』
たぶん☆印のところには「全く」が入ります。
基本的に、うちの先生は、話す内容に単語や主語が足りないことが多い典型的な芸人さんなわけですが、短い文章、言葉の中に真理を突くものがあります。
津軽民謡や津軽三味線の発祥や歴史、背景うんぬんも、ただ好きで真似をしてきただけのものであって、言葉だけは伝承や継承、ありがたいものや尊いものとして発信されてますが、本当のところは誰も分かってないんです。
全ては想像の世界。
発祥の地に足を運んでみて、歴史を調べてみて、いろんな人の解釈の仕方を聴いて、「なんとなくこうかな」と答えを見つけて、確証を一つ一つ探して、それでも完全にはならないから未だに毎日お稽古を積まなくてはならない。
習う人は曲を仕上げることを求めますが、芸の道に入って60年過ぎたひとが確証を積み重ねて来たことを、楽に短時間で修められると考えることがどうかしているのであって、短時間で修めたいなら気違いになるほど、楽に修めたいなら健康長寿に努めてくれればいい、一曲を分かるまでなんて簡単なわけがありません。
芸とはそんなもの。
なんでも知ってると話したり、研究者面してる人間は勘違いしてる人間。
曲を作った人間の考えることはその人にしか分からず、それを想像してるだけの今の世の中なんだ、ということを理解しながら師匠業や舞台人として頑張りなさい。
こんな深い言葉。
耳が痛いのを通り越して痒くなってきました。
今日もがんばりましょう。
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