ならす

ブログを御覧いただきありがとうございます。

津軽三味線奏者の佐藤壽治です。

 

 

大阪大会も週末となり、焦りが出てくる人、

自信が出てくる人それぞれいると思います。

 

夢見はいいですか?

行動に変わりはないですか?

準備に準備を重ねて週末を迎えてください。

 

 

 

さて、大事な場面が待つまでの間、

昔は三味線といえば、皮の張替えから始まっていました。

 

舞台に呼ばれる=張り替える

そんな図式が成り立っていて、

呼ぶ側のひとも経費を含めて出演料に加算、

もしくは糸代として別に用意してくれていました。

 

 

 

今でも「舞台には新品の状態で上がるもの」

と話す先生がいたら、その先生はかなり昔から舞台を務めていた先生です。

そして舞台をひとつ作るための心意気を分かっている先生です。

 

 

自分の演奏も最高の状態に仕上げなくてはなりませんが、

道具の手入れも最高の状態にしなくては片手落ちです。

 

その日に観客になる人達へ最高の音を用意するための、

最低限の準備に皮の張替えも含まれていました。

 

しかし、皮不足、動物愛護、勿体ない、

経費不足、経費節約などの事情で

そこまでする人は少なくなりました。

 

かくいうわたしも、

そのうちの一人に入っています。

経費が出ないのに皮の張替え(約5万円)が出来るはずがありません。

 

 

舞台の習い、としては残念な話なのですが、

高額でもある皮の張替えは演奏者にとって、

また企画主催者にとっても重くのしかかっているのが現状です。

 

こればっかりは変えられない流れでもあるので、

今後はいかにきれいな状態を保つか

努力しなくてはならなくなると思います。

 

さて、そんな皮の張替え。

張替え後に大事な作業が待っています。

 

 

「ならし」をしなくては

良い音を引き出すことが出来ません。

 

だいたい良く張ってもらったものほど、

張って直ぐの状態は音が硬いか

響きが細く足りない感じになります。

 

津軽に限った話なのかもしれませんが、

張る力に対して皮が慣れていないような感じなわけです。

 

なれていないから、ならないので、ならしてあげる。

 

漢字変換しないと訳の分からないナ行攻めですが、

基本的に1週間から10日ほどかけてならしていきます。

 

1日目から2日目にかけても変化は現れますし、

1日の中でも変化はしていきます。

 

方法はただ単に演奏するだけです。

わたしの場合はなるべく強くたたく事に重点をおいています。

 

そうやっているうちに音の幅が出てきて

重く太い音色に変わっていきます。

 

はじめは硬く、耳に障るようなとげのある音が、

明るくキラキラした音に変わります。

 

ここまで来て初めて最高の状態になっていく、という事です。

 

 

その結果に確固たる証拠や数値はあるのか?と問われると困ります。

計ったことはありませんし、時間をかけて普段通りに、

でもそのうちそういう状態になるのでしょう。

 

気持ちの問題ですかね。

なんとなく・・・そんな感じです(´ー`)

 

 

色々と準備にまつわる話はあります。

 

演奏内容に問題が無くなってきたら

道具の事も先生に尋ねてみるのも大事なお稽古です。

 

今日も1日、がんばりましょう。