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津軽三味線奏者の佐藤壽治です。
大会が近いのに大雪。
福井に住んでいるので福井中心の考え方になりますが、目を向けると他の地域もひどいことになっているようで(´д`)
天気には勝てないのは当たり前、と分かってはいるのですが宇宙戦艦ヤマトのコスモクリーナーのような世界を変えてしまうような機械は発明されないものでしょうか。
さて、そんな夢のお話とは反対に夢ではない話。
大会も近いので曲作りについてわたくし的な考えを。
大会のルールとして制限時間というものがあるのですが、この時間に収まれば曲作りは終了というわけではありません。
やはり曲に仕上げるためには、物語が見えてこなくてはならないと思います。
津軽三味線の大事な要素として二つ、「力強さ・荒っぽさ・迫力」という部分と「繊細・優しさ・儚さ」という部分を盛り込まなくてはなりません。
出来ればそれぞれ場面を考えて、それとなく観客が想像できるような感じになるといいです。
簡単に音量の大小で表すと、大の次は小になり、小の次は大になり、最後は中と大を組み合わせるか中と小を組み合わせるか。こんな感じです。季節に変えれば春夏秋冬の流れを考えて並べていく感じです。
意図するものがはっきりすればするほど観客に伝わっていきます。伝わる事で多少の失敗も失敗ではなくなり、その失敗をどうやって挽回したのかによってさらに賞賛を得ることもあります。
演奏している人にもうちょっと分かり易いように書くと、力強さを一番引き出しているのは1の糸での演奏。
繊細なところを一番引き出しているのは3の糸での16のツボ周辺やかましの部分。
優しさは音澄みと呼ばれる演奏法全般で、荒っぽさは1の糸や3の糸の下ツボでの押し撥が続くところ。
これらの部分をどこまで変化をはっきりとさせることが出来るかが勝負の分かれ道になります。
より大きい音とより小さい音を出せる事が武器であり、組み合わせの妙で聴かせたりするのも武器です。
ちなみに先ほどは観客と記載しましたが、大会の観客は審査員になります。
困った事に、大阪大会の審査員はすべての人が三味線の良いところから悪いところまで知っている人なので、観客といっても選手にとっては非常に都合の悪い観客かもしれません。
なんせ音を聴くだけで心境まで見抜いてしまうくらい、過去に自身も苦しんだことのある観客でもあるわけです。その人たちを唸らせることが出来れば・・・と、簡単にはいきませんがそれを目標に曲作りをしなくてはなりません。
出来るフレーズをただ並べていては唸ってはくれませんので、よくよく考えながら曲作りをしましょう(´ー`)
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