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津軽三味線奏者の佐藤壽治です。
昨日触っていた撥。
羊の角を使ったものなのですが、ここからの話は少し深いところに入っていきます。
角というだけあって硬さはあります。
ある程度の硬さは欲しいのですが、撥と胴(皮)がぶつかる際の衝撃を吸収してくれるだけの柔らかさが欲しいです。
三味線の撥に必要な要素に「しなり」もしくは「ねばり」もしくは「やわらかさ」といったものがあります。
それらを指して「こし」と呼びますが、柔らかくなればなるほど撥と胴(皮)が当たる事によって出る打撃音も小さくなります。
竹山流の人たちが柔らかめの撥を使うのは、この打撃音を雑音だと捉えている事も関係しています。
津軽三味線である場合、純粋に三本の絃の音を届けるためには柔らかめの撥を使うしか方法が見当たりません。
そして、音も大事ですが、身を守るのも大事です。
硬い撥を使っていると親指、手首、肘へ衝撃は伝わってきます。
強くたたけば、強くたたくほど身に返ってきます。
お稽古が済んだ次の日、舞台が終わった次の日に、
手がむくんでいるような場合は、撥を疑った方がいいです。
手で触ってもらえば分かりますが、皮だってそうとうな硬さに張りあがっています。
それにもともと硬さがある撥を遠慮なしにぶつけてる訳です。
痛みや違和感が出て不思議ではありません。
ということで、「こし」をいれるために撥を削って、磨いて仕上げてみました。
出来はなかなか。
角ですけど、ただ硬いのではなく、鼈甲と同じような「しなり」「ねばり」「やわらかさ」が出てきました。
この工程で新たに取り入れたのが?%OFFだったかセール品5000円未満のベンチグラインダーです。
これにバフを取り付けて、研磨剤をつけて磨けばぴかぴかです。
ついでに、くすんでいた撥も磨きました。
撥が磨かれると、腕まで磨かれたようでついつい嬉しくなってしまいますね(´▽`)
撥も、グラインダーもよい買い物をしたと思います。
いつも良いものに出会えるとうれしいですね。
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