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津軽三味線奏者の佐藤壽治です。
物事はある程度上手に出来るようになると現状維持の期間を迎えます。
高いところで維持出来るようになると、円熟などという言葉がついたりしますが、高いところだけではなく、合間合間に現状維持の時間は訪れます。この現状維持を音楽の世界は嫌うところがあります。
前より、今より、より良く、より素晴らしくを考えるために、そこで悩む事があります。よく言う『壁』なるものがそうです。
しかし、進むばかりがお稽古ではなく、後退するのもお稽古ではないでしょうか。
動けなくなって分かること、出来なくなって分かることがあります。
エネルギー溢れて取り組んでいた頃は無駄な力も使っていた、なんて事が分かるようになったのは無駄な力が必要ないことが分かるようになったから分かるのではなく、無駄な力が入れられなくなったから分かったのかもしれません。
日本語って難しいです(´▽`)
千代の富士は引退してからの方が相撲をより分かった、と話していた事があるそうです。体力の限界、と引退をした後に好きであった相撲を見直せる時間が出来たからその言葉が出たのではないでしょうか。
『最近、上手になってない、いや下手になったかも』
誰でもこう思うときが来ます。
こういう時こそ過去の自分を思い出して、無くなった癖や無くなっていない癖を見直してみたら新たな発見があります。
たぶん。
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