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津軽三味線奏者の佐藤壽治です。
新しいものが認められるまで。
わたしの仕事場となる業界は古いしきたりや行事を重んじる所があり、発展というより研鑽を大事にする所があります。
端から見てみればそれは維持しているだけ、と言われることも多く、閉鎖的であるとも言えます。
特に地元という限られた地域の文化継承になると、他の地域からの意見は全く聞くことはなく、独自の文化となっていることが多いです。
それが良い事もありますが、それが悪い事もやはりあるので、世界のどんな人とも繋がれる現代の人はそれらを精査して守りつつ広めつつして欲しいと思います。
最近、話題としては遅いですが新素材の製品を手に入れました。
犬皮に代わる素材、『リプル』という人工皮です。
手にした感触と、耳にした感触を基にあれこれと自分なりに研究してみました。
糸を変え、駒を変え、撥を変え、曲調に演奏法も変えて臨み、手応えを感じることが出来ました。
とうとう新素材の時代が来たのだな、と感じました。
比較対象にしたものは横浜仁木三味線にお願いして何度か張り替えを繰り返し、ようやくたどり着いた三味線です。
わたしが舞台で他の奏者と並んだときに音で負けるような事は絶対に無い仕上がりの三味線と比較しています。
つまり、それだけの仕上がりを出せる素材が現れたという事で、これは手に入るか入らないか分からない犬皮にビクビクしている奏者にとっては最高の情報です。
ただ、わたしが使っての感想である=津軽限定、ということであり、細棹や中棹を用い、糸も撥も様々に変わる他の三味線に共通か?と言われると、ここは専門奏者に手にとって評価してもらわなくてはなりません。
ここからが長い道のりになると思います。
先がどうなるのか、わたしも注目していこうと思います。
さて、皮に関する新素材ネタでしたが、触った時にもうひとつの新素材の道具が非常に相性が良く感じました。
この話の続きはまた後日・・・
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