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津軽三味線奏者の佐藤壽治です。
東京大会。
重造会の選手はいい演奏をしましたが、入賞までの壁が厚いようです。
そこそこ演奏しているのですが、やはり緊張が邪魔をするのでしょう。
本来、お稽古場で行っている実力は出ていないものと思っています。
さて、この緊張を緩和できるか?というと、それは無理だと思いますし、
緊張はしていなくてはなりません。
いい意味で用意周到、慎重になり、
力が入りすぎるくらいの雰囲気を身から出さなくては、
いわゆる『オーラ』や『纏う雰囲気』なるものは出てきません。
舞台慣れしていれば緊張はしないでしょ?
そんな事があるわけがありません。
よくそんな事を言われますが、緊張感のなんたるかを
理解できない少年少女期ならいざしらず、
大人になってしまえばだんだんと緊張感を覚えていくものです。
それが証拠に、どれだけ大きい舞台を数こなす人であっても、
大人であれば「緊張してます」とさらりと言います。
これは音楽の世界に限らず、スポーツであっても、
勉学であっても、将棋や囲碁やチェスであっても、釣りであっても同じです。
子供は緊張していないように見えますが、緊張はしています。
緊張していないのではなく、緊張するという意味が分からないだけで、
きちんと身体は硬くなりますし、それは表情にきちんと現れてきます。
よく「緊張しないんだもんな、すごいね。」と
褒め言葉のように繰り返す人がいますが、
はっきり言って理解が浅い判断で言葉は口にするものではないなぁ、
と私は思っています。
緊張のなんたるかを理解している人はそんな言葉は絶対に使いません。
理解しているからこそ、緊張を自分の味方にしてしまっている姿に驚嘆するのです。
間違って、ついつい言葉にしている人もいるでしょうけどね(´ー`)
大人であれ子供であれ、それなりの表情にはなりますし、
それなりの硬さに必ずなるのですが、
それらを加味して普段から稽古を重ねて、
普段の舞台で検証を積んでいかなくてはなりません。
そこは時間のかかる部分であり、
口で説明した通りの状況に出会わないと理解が出来ません。
しかし時間がかかっても理解が出来れば、一気に磨きが進み、
苦労してた部分がなぜ苦労していたのか不思議に思うくらいです。
ではそうなるために必要なものは何かというと、
『自分を分析しながら』行動できる余裕が必要なのだと思います。
どのような状況に置かれても、一挙手一投足を確認しながら
行動できるだけで全てが変わってきます。
肘から上の腕が張ってきた・・・
胴掛けに触れている部分が滑る、もしくは滑らなくなってきた・・・
指スリのヨレ感が気になる・・・
人差し指に力が入りすぎる・・・
薬指の関節の動きが硬い・・・
手首が固まる・・・
脇の下から背中にかけての筋肉が張る・・・
演奏中に感じられる事はたくさんあります。
それらが良い事だけならいいですが、悪いことの方が多いはず。
その悪いことを一つ一つ解消するためには、
その状況になっている事を確認して、自覚しなくてはなりません。
自覚してから後でなくては直りませんし、自覚が出来ない事の方が多いかもしれません。
自分を見つめ直しながら演奏できる余裕があれば、演奏中に変えることが出来ます。
それが出来さえすれば・・・
お稽古にはげみましょう(´ー`)
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