いつもブログを御覧いただきありがとうございます。津軽三味線奏者の佐藤壽治です。
「オリジナル」
よく使う言葉です。
でも津軽三味線のフレーズにオリジナルというものは存在しません。
過去に演奏されたフレーズを踏襲しているものを使って、組み合わせを自在に操っているだけです。
私の演奏の基礎になっているものも出処ははっきりしています。
木田林松栄という人が作り出したフレーズに、白川軍八郎という人が作り出したフレーズに、少しだけ佐藤春光という人が作り出したフレーズと、佐々木孝という人が作り出したフレーズを混ぜ合わせています。
ここまで書くとわかると思いますが、わたしも本当の意味でのオリジナルにはなっていません。いわゆる外国語のオリジナルという意味には当てはまりません。
日本語で使われているオリジナルには当てはまるのでしょうが、元祖などの意味には当てはまりませんし、先人達のフレーズを引き継いで大事に使っているに過ぎません。
では、オリジナルになることは出来るのか?
出来ると思います。
ただし、新作として世の中に発表できる曲を作成しなくてはなりません。
津軽三味線でいうならば、撥さばきとして現存する組み合わせのものは使わずに、曲を作るわけです。習ったひとにしか伝わらない例えですが、後ろ撥3回に前撥を2回の組み合わせで、間を考えて音の組み合わせを作っていく、そんな感じで作り上げればオリジナルになれます。
唄も鳴り物もつけるのであれば、とても面白い曲が出来上がると思います。実際にそういった事に挑戦している人が大勢いますし、今後の可能性は無限に広がっていると思います。
引き継いでいくのも大事ですし、創造する事も大事です。
どちらか一方を突き詰めようとすれば、端から見られた時に本当の創造ではなく、模倣になっている事もあり、それに気付かない、気付けないという事に陥ります。
凝り固まり、豊かな感性を育てる事も出来なくなります。
音楽は、音を楽しむと書くのですから、出来る限り自由であり、それでいながら基礎を見直しながら追求したいものです。
なかなか実現は出来ませんが、そうありたい・・・と常々想っています(´ー`)
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